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■オリジナル作品:「僕のH2O ブログ編」(目次

「僕のH2O ブログ編」 第1回

<プロローグ>

 これは、僕が手がけている「僕のH2O」というネット上のコミュニティー・サイトで、新しく会員になってくれたAさんと行った対談の記録である。
 「僕のH2O」というサイトは、会員が「人のために成した行為」と「自分のために成した行為」とを日記風に書き込んで、それに点数をつけたり、コメントを寄せ合ったりするコミュニティーなのだが、最近会員が増えてきたので、コンセプトをより深く理解してもらおうと、この対談を企画した。
 「僕のH2O」のことは知っているけれど、いまひとつコンセプトが腑に落ちない、という方はこれを読んで欲しい。きっと活動の真意が分かっていただけると思う。僕にとっても、年長者で人生経験の豊富なAさんとの対話は、自分の考えを整理するのにとても役に立った。
 「僕のH2O」についてまだなにも知らない人は、まとめたもの(電子書籍「僕のH2O」)があるから、まず手に入れて読んでいただければと思う。
 対談は一応テーマに応じて分けてあるけれど、気楽にどこからでも読み始めてみて欲しい。これを読んだニースにいる洋子から、「遠海魚で悪かったわね」という一見意味不明のメールが来たが、その理由は中身を読んでも貰えれば分かる。尚、この対談はサイトのブログページに書き込んだので、「僕のH2O ブログ編」というタイトルにした。

奥沢勉

<他人の為に生まれてくるとは?>

A: 「僕のH2O」サイトを見て、人は他の人の為に生まれてくる、ということはそれなりに納得できたんですが、もう少し全体の考え方を説明していただけますか?
勉: 多くの人は、人生は自己実現の場だ、人生は自分の為にある、と考えているんでしょうね。せいぜい半分は自分のため、半分は人のためというところかな。人生そのものが他人の為なんていうと、宗教かボランティア団体と思われるんです。
A: サイトでもそう思われたって書いてありますね。正直なところ、人生がすべて他人の為だなんていわれると戸惑ってしまいます。
勉: 僕は、自分の為のことをするな、なんて一言もいっていないんです。自分の為のことをするのはいいけれど、それって、次に人の為になにかをするためでしょ、ということなんです。たとえば染物をやりたいと思っている人がいるとしますよね。いろいろと勉強して、どんどんいいものを作るようになる。勉強するのは自分の為ですけれど、作ったものを着るのは他の人ですよね。他の人が良い品だと思って着てくれるからやりがいもある訳です。お客様が喜んで下さるから良いものを作る。そういう意味で、人が自己実現を目指して頑張るのは、結局のところ他人や社会の為なんです。それは染物だけではなく、料理をする人でも車の運転手さんでもみんなそうだと思います。
A: 自己実現を目指すことが、結果的に人の為になるということですね。でも自己実現としての仕事は、半分は自分のため、半分は人のためと考えても同じじゃないですか。どう考えたって仕事をしてお金をもらうのは自分のためでしょ?
勉: 問題は、そのお金をどう使うかなんです。たとえば染物屋さんが染物の勉強に使えば、それは今いったように回りまわって人の為ですよね。食事や日用品を買うために使う、それも結局自分が染物を作るためですから回りまわって人の為です。家族を養う為に使う、家族は染物を買うお客さんではないけれど、他人ですよね。だから家族の為に使うお金は、家族という他人の為に使うお金なんです。自分の為ではないんです。
A: 自分の為の消費は、突き詰めていえば次に他人の為に働く原動力だ、という考え方ですね。でもその考え方って、堂々巡りで結局どちらが先と考えてもいいんじゃないんですか?さっきの例で言えば、家族のことにお金を使って満足を得た染物屋さんは次に張り切って仕事をし、また次に自分の為に消費するわけだから、どちらが先ということではないのであって、半分は自分の為、半分は人の為と考えたっておなじことではないですか?
勉: いまAさんは、自分の為と人の為とはどちらが先ということではないのではないかという事、いろいろな仕事を半分は自分の為、半分は人の為と考えたっておなじことではないか、という指摘をされました。まず初めの点についてですが、人が生まれてくるときのことを考えると、それは自分のためではない、ということがとても重要なんです。
A: どういうことですか?
勉: 人は自分で、生まれるか生まれないかを選べないですよね。人が生まれてくるのは決して自分の為ではないんです。人は自分以外のもの、親や親戚、もっと広く考えれば、社会やその共同体のために生まれてくるんです。ですから初めの一歩が他人の為で、そのあと人は自分の為のことと、人のためになる事とを繰り返していくんですよ。
A: なるほど。(続く)
「僕のH2O ブログ編」 第1回(2009年09月10日公開) |目次コメント(0)

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