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■オリジナル作品:「百花深処」(目次

「百花深処」 <徳川近代>

 『消された「徳川近代」明治日本の欺瞞』原田伊織著(小学館)という本を読んだ。まず本の内容を同書帯表、カバー表紙裏、帯裏から紹介しよう。

(引用開始)

「明治維新の過ち」三部作著者が放つ新章第一弾!
「徳川近代」があと十年続いていれば、日本に国粋主義軍国国家は生まれなかった!明治日本とは「徳川近代」の模倣に過ぎなかった!その事実を新政府は、土中深く埋め去った(帯表)

小栗忠順なくして日本に近代工業も株式法人も生まれなかった
真っ当な通商条約を不平等条約にしてしまった薩摩・長州のテロリズム
小野友五郎なくして明治の聯合艦隊も今日の新幹線網も存在しない
幕府を売った勝海舟・大久保一翁・松平春獄の無見識
そして、流浪の幕府伝習大隊を率いた土方歳三・大鳥圭介とフランス士官たち
最後の戦い(帯裏)

日本近代の幕を開いた誇り高き幕臣たち
・咸臨丸を操船した小野友五郎とブルック大尉
・無能を露呈した海軍伝習所の留年組 勝海舟
・通商条約を創り上げた岩瀬忠震と井上清直
・アメリカ合衆国と渡り合った小栗忠順の先進性
・近代陸軍の原形幕府歩兵隊を率いた土方歳三と大鳥圭介(カバー表紙裏)

(引用終了)

 この評論ではこれまで、<幕末の国家統治>や<「神国日本」論 III>の項で、幕末史の表と裏について纏めてきた。今回この本によって、幕府首脳(老中阿部正弘、堀田正睦、大老井伊直弼ら)や幕臣たち(笠間藩士小野友五郎、直参岩瀬忠震、直参旗本小栗上野介忠順など)の働き、日米和親条約、日米修好通商条約、万延遣米使節団などの背景について、理解を深めることができた。

 原田氏は、これら幕臣たちの頭には、彼ら独自の日本近代化の下絵が描かれていたとし、それを「徳川近代」と呼ぶ。最近ブログ『夜間飛行』の方で、

荷風を読む II」(4/30/2021)
荷風を読む III」(5/28/2021)

を綴り、明治・大正・昭和を生きた永井荷風(本名:永井壮吉)を、近世と近代の結節点に立つ人と評し、近代不在(疑似近代)の明治以降を良く知るために、彼の文学と人生をさらに研究したいと書いたが、原田氏のいう「徳川近代」がもし実現していたら、荷風文学は存在していなかったかもしれない。

 荷風の薩長嫌いは徹底していた。今彼の『下谷叢話』の続編とも評される『成島柳北』前田愛著(朝日新聞社)を読み進めている。

(引用開始)

幕閣の要人から新政府と「文明開化」の辛辣な批判者へ――醒めた意識で鮮烈な「二生」を生きた美学の根元を、若き日に享受した豊饒な江戸文化の諸要素に探り、鷗外・荷風へと続く精神の系譜を明かす。「硯北日録」など新資料で初めて描く柳北の全体像

(引用終了)
<同書帯表より>

他にも類書を読み、当時の人たちの処世について見聞を広めたい。
「百花深処」 <徳川近代>(2021年07月21日公開) |目次コメント(0)

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